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剥製師ベッカ・バーネット (Becca Barnet) の作業風景を紹介する動画です。インタビューが併録されています。動画にはそれなりに刺激的な場面が含まれていますので、ご注意下さい。

Fishhooks from Lunch and Recess on Vimeo.


「モデルにして絵を描いて下さいと言って、誰かが目の前で服を脱いだとします。始めは目のやり場に困って、なんともいえない気まずさを感じます。でもその内に、裸がどうとか言うことじゃなくて、光の当たり方とか、どう見えるかという面が気になり出して、人間というよりはひとつのプロジェクトとして扱えるようになります。

「私にとって剥製とは、それとまったく同じなのです。初めてやってみたとき、動物の口に器具を入れて切ったりするわけですが、自分の口と結びつけて考えてしまってゾッとしました。でもその内に、動物としてではなくひとつのプロジェクトとして見られるようになる。まるで違って感じられてきます。

「フィッシュフックスは約1年前、2歳で命を落としました。一緒に飼い始めた同腹の姉妹はいま3歳。チューブ・スキニングという技法を使うので、背中とかお腹とか、特に何か派手な演出をするつもりはありません。好きなポーズに出来るのですが、ペットだったので、眠っているところとか、何かかわいい風にしようと考えています。

「ペットを剥製にするのは実はこれが初めてなんですよ。ペットを剥製にしてくれと頼まれてもいつもは断っているんです。ペットだと、生前の様子が再現されることを期待しますからね。当時そのままにペットが生き返ったみたいなとか。でもそれは無理なんです。

「ここが口の部分です。毛皮に穴を開けないように注意しないといけません。動物の顔というのは、人が最も視線をやる部分ですから。顔と口に関してはできる限りきれいに仕上げます。

「人のために物を作るのが好きなんです。なにか人の役に立ったり、それで勉強できたりする物。博物館用に何かを作るのが一番好きですね。一度作ってしまえば、それでおしまい。サインを書いたり、自分の名前を出したりしませんから。ただそこにあって、人が見て楽しめる。ちょっと見て、ちょっといい体験をしたなあとか。

「ゲイジュツの世界はどうも肌に合わないんです。展示空間とかね。展示空間に入って行って、そこにある作品を見て、『解釈』しようとする。でも剥製ならそうはならない。そこが剥製のいいところ。動物の剥製があって、不自然な出来じゃなければ、人はそれだけでおもしろがってくれる。見たまんまですからね。気に入るか、気に入らないか。それってクールでしょ。


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via: vimeo / Lunch and Recess