drew_rainingcatsanddogs

Left-handed toonsより。
英語で"it's raining cats and dogs"と言ったら、「土砂降りだ」という意味なのですが、直訳すると「猫と犬が降っている」。そのような表現が他の言語にもあるかどうか、調べたものを漫画にしています。
左上から右へ順番に
  • バール ボスニア語
  • 棍棒を持ったおばあさん アフリカーンス語 (南アフリカで使われているオランダ語の仲間)
  • 子猫 オランダ語
  • 蛇とトカゲ ポルトガル語
  • 椅子の脚 ギリシャ語
  • 靴職人の弟子 デンマーク語
  • メスの鬼 ノルウェー語
  • 夫 スペイン語
本当かなあというぐらいよくできていますね (wikipediaよりと書いてあるけど調べても見つからないのですが……)。

長いものはなんとなく分かります。バールとか、棍棒とか、椅子の脚とか。雨も大粒になるとかなりの強さで、質量を感じさせながら、びしびし突き刺さるように降ってきますから。

鬼も分かりますね、東洋の雷神だってあれは鬼の姿形をしています。メスというところはユーモアなのでしょう。それとも雷がオスで雨はメスなのかな。爪が長いからか、だとするとその延長線上で猫、子猫も分かります。ひっかき傷が雨だとかね。

靴屋の弟子と夫はちょっと意味不明。靴屋の弟子はドタドタ音を立てるの意でしょうか。あまり上手ではなく、ぼたぼた落とすイメージかも。夫は、まあ、なんにでも使えそうですよね。バールのようなものですよ、夫は。丈夫さではかなり劣るものの。

Gravure_de_pluie_de_poissons
image: wikimedia
注意しなければいけないのは、これらはあくまでも言葉の「表現上」の問題だという点です。そういう風に表現しているだけであって、実際に降ってくるわけではありません。そのあたりは曖昧な方が面白くて、降ってきたことにしても良いのですが、卵が先かにわとりが先か、みたいな話なのかどうか、実際に降ってくる現象も世の中では観察されています。魚や蛇、カエルなどが降ってきたという話です。

日本でも数年前、石川県あたりで、オタマジャクシが空から降ってくるといってニュースになりましたね。あれはサギなどの鳥が食べていたのを吐き出していたのだったか。降ってくるといってもちょびっとした感じですね。あたり一面ザーザーぼたぼた降ってくるわけではない。そっちだと、直接見たわけではありませんが、魚などではありそうな現象です。

つまり、竜巻でゴゴーッと、掃除機のように海や湖から吸い上げられた魚の群が、そのまま一気に降ってくるという構図です。これだとイメージ的に納得できますよね。

結局、自然現象の場合は、入口と出口ということが問題となってきます。空に上がっていった以上の数の動物が降ってくるわけはないのです。だから、たくさんの魚が降ってくるためには、たくさんの魚が吸い上げられなければならない。オタマジャクシは、鳥がちょびっと食べたのをゲッと吐いただけだから、ちょびっとしか降らない。

「表現」の方は、そうした算数は無視していくらでも降ってくるところが、さすがというか、面白いです。バールとか椅子の脚とかいったいどこに隠してあったのでしょう。メスの鬼、そんなにたくさんどこにいたのでしょう。女護島か、アマゾネスか、そのあたりは今は置いておいて。夫は、まあ、いるところにはいるでしょうか。余ってそうだし。

あと、必要なのは椅子の背もたれを降らせる係ですね。椅子の脚が降る度に椅子の背もたれが大量に余ってしまうので、これを「椅子の背もたれが降ってるなあ」と言葉にして降らせてあげて、消費のバランスを取る係。こういう人はどこかにいるでしょうね。ひそかにそうした役割を天から割り振られた人が。

via: Left-handed Toons