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photo: nbcnews.com アレキサンダー・イミッチ
2014年4月に世界最高齢の男性となった超常現象研究家が、6月8日 (日) の朝この世を去りました。友人によると、命が尽きる最後の数時間、男性は自分の周囲に集まっているのを感じた霊魂に向かって、ポーランド語とロシア語で語りかけ意思の疎通を図ろうとしていたそうです。アレキサンダー・イミッチ (Alexander Imich) は1986年に妻を亡くして以来、マンハッタンの老人ホームで暮らしてきましたが、111歳でついに命が尽きました。イミッチは1903年、ポーランドでユダヤ人一家に生まれました。ライト兄弟がフライヤー号の初飛行に成功する数ヶ月前のことです (イミッチは飛行機こそが、生涯で見た中で最高の発明品だと言っていました)。第二次世界大戦中はソ連の強制労働収容所に妻と共に送られ、なんとか生き残ってみると、友人や親戚のほとんど全員がホロコーストで死んでしまっていました。1951年にはアメリカに移住しました。
イミッチの、ポーランドの霊媒に関する研究は、1930年代にドイツの学術雑誌に掲載されたことがあります。イミッチは生涯に渡り超心理学への関心を失いませんでした。1995年には『超常現象の驚くべき話』という本を編集したりしました。健康の秘訣は、運動をすること、食事を腹八分目にとどめること、酒は飲まないこと、などと語りましたが、なぜそんなに長生きできたのか、自分でも把握していませんでした。「分かりません、率直に言って、早く死ななかっただけなのです。どうしてそうなったのか理由がつかめません」とイミッチは先月、NBC放送に語りました。亡くなった時点で、世界で最も長く生きた男性としての記録にはあと数ヶ月足りませんでした。また存命中も世界最高齢の人間ではありませんでした。世界にはイミッチよりも年上の女性が少なくともまだ66人生きているからです。その中には日本の116歳の女性も含まれています。

あの世へ行くことの代償、それは、この世では知り得なかった全ての事柄について、知ることができるということだ——アレキサンダー・イミッチ

via: newser