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ロサンゼルスを高い位置からひたすら撮影したタイムラプス動画です。その名も"Above LA"、「ロサンゼルスの上」というか「上空」というか、見渡すということですね。ただしこの動画、高いところから撮ったというだけではありません。夜景、夜景、夜景。夜景に集中して撮影してあって、とにかくそれが素晴らしすぎるのです。
タイムラプスですから、動きがよく見えるわけですが、この「よく見える」速さというものが人間に固有のものとしてあるわけです。星の動きや雲の動きなど、そのままじっと見ていてもなかなか分かりませんが、タイムラプスで時間を縮めればよく見えるようになる。反対に、風船が割れる瞬間とかハチドリの羽ばたきとか、スローモーションで時間を引き延ばさないとよく見えないものもある。結局、人間には人間の尺度というものがあって、それに合致していないとなかなか認識できないし、逆に、それに合致しているとすごくよく理解できて「気持ちいい」のではないかと、そんな風に思うわけです。

Above LA from Chris Pritchard on Vimeo.

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ロサンゼルスの夜の街並みを行く自動車の動きが、血管を流れる赤血球の動きと実によく似ていて、陳腐な比喩を超越した類似性がそこにはあるように感じたのですが、「血の流れ」を基準に風景の動きを捉えてしまうという精神の働きそのものが、いやー、人間は結局自分の身体から発して考えるのだな、タイムラプスという道具を手に入れたおかげで、より多面的に環境を自分の身体に近づけられるようになったのだな、と妙に感心してしまいました。

世界を自分の認識の枠内で捉えられるように改変していくことが気持ち良いとすると、箱庭やジオラマがなぜ楽しいのかよく分かるような気がするのですが、それについてはもう少し考えていく必要がありそうです。自分の生存にとって有利なので、人間には環境改変欲があるのは間違いなさそうですが……。

via: vimeo / Chris Pritchard