mp4_000009960

イングランド北西部の都市マンチェスターは内陸に位置しています。海から直線にして50km強ですが、その間は幾本かの川や運河や水路によって結ばれています。産業革命時、マンチェスターの紡績工場に石炭を運搬するのにそうした水路が使われました。また19世紀末には、外洋船が直接マンチェスターまで航行できるような大規模な運河も掘られました。今日では、産業用の船舶が運河を航行することはまれになり、水路部分はレジャー目的での活用が盛んになっています。

The Cut from The Video Guy on Vimeo.

■動画が表示されない場合はお手数ですがVimeoに飛んでご覧下さい。


こうした水路を、地元の人々はひとくくりにして"The Cut (ザ・カット)"と呼んできたということです。「切り開く」という意味から来る言葉でしょうね。運河は「掘る (dig)」や「築く (build)」ではなく「切り開く (cut)」なのです。閘門や水門で調節しながら、大地に深い溝を掘っていく感じは確かに"cut"がふさわしいように思えます。

往時は黒煙をもうもうと吐く運搬船が行き来していたのでしょうが、今ではなんとものびりとした、緑に囲まれて心が安まる水辺空間となっていますね。マンチェスター市内では赤レンガの工場や倉庫のような建物群に通じているようです。産業革命を担った紡績工場かと思うと感慨もひとしおですが、あの赤レンガと運河の雰囲気はどことなく明治の東京にも通じるところがあるような。まあ、西洋をお手本にしたのですから当然似てくる部分はあるでしょうが、レンガ造りの頑丈な建物と運河の組み合わせは産業革命の一種のアイコンなのかなと思ったりします。


mp4_000014760
mp4_000025120
mp4_000038520
mp4_000046440
mp4_000059600
mp4_000073200
mp4_000089720
mp4_000097520
mp4_000103760
mp4_000113040
mp4_000158960


via: vimeo / The Video Guy