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photo: wikimedia
米カリフォルニア州のモハーヴェ砂漠に設置された、世界最大かつ最先端の太陽熱発電所。ブライトソースエナジー社のイヴァンパ発電所では、2分に1回、鳥が丸焼きになっていると野生生物局の担当者は語ります。鏡で反射されて集められた太陽光によって、焼け焦げてしまうと言うのです。イヴァンパ太陽熱発電システムはガレージのシャッターほどの大きさの鏡30万枚以上を使って、40階建てほどの高さの「発電塔」に太陽光を収束させることで発電します。このシステムひとつで14万戸にも及ぶ家庭に電気を供給できます。ネヴァダ州境に近いイヴァンパ・ドライレイクに位置しているこの発電所、オーナーである3社の一角をGoogleが占めています。
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photo: wikimedia 稼働中のイヴァンパ太陽熱発電所。塔に太陽光が集中している
今年の2月に稼働して以来、この総工費22億ドルの発電所が生み出す光線があまりにも強力なので、ロサンゼルス空港やラスベガス空港を発着する飛行機の操縦士の目が眩んでしまうと言われています。空中で火を発して燃えてしまう鳥は、光に引き寄せられる虫を追って、群で発電所上空に飛び込んでくると考えられています。野生生物保護の専門家は、年間で少なくとも1,000羽、最大で2万8,000羽の鳥が命を落とすだろうと述べています。またこの発電所は、鳥のみならず、亀でも問題を抱えています。建設に際して、たくさんの亀が生息地を逐われてしまったのです。野生生物局の当局者は、こうした「巨大罠」に似た施設を多く作る前に、綿密な調査・研究を行う必要があると警告を発しています。

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photo: flickr / Yumi Kimura

via: newser