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photo: flickr / Si Gardner
テムズ川1番地という住所を持つ要塞が、ロンドンの約60km東方、メドウェイ川がテムズ川に合流する地点に建っています。その名もグレイン要塞。1855年、ナポレオン戦争の余波の中で、フランスの侵攻があった場合の守りとして設置されたものです。グレイン島という人工の島の上に建っており、周囲は一面の干潟になっています。アクセスは干潮時に水面下より現れる一本の道のみ。それも途中で崩れている箇所があるので、ぬかるむ泥の上を歩いて渡らなければなりません。

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1855年以来およそ1世紀半の風雪、そして波浪を耐え抜いてきたこの要塞、第二次世界大戦中は6基の砲が海や空からの侵略に対してにらみを効かせていました。要塞本体は爆弾の直撃にも耐えられる設計と言われています。しかし1950年代に武装が解除され、以降は人の手が入らないまま70年間放置された結果、近ごろでは傷みが目立つようになってきました。そのグレイン要塞が今、約8,600万円 (50万ポンド) で売りに出されています。この要塞の素晴らしさはなんと言ってもその眺望です。朝な夕な、光や色あいを刻一刻と変える干潟の絶景が目の前に展開します。干潟の反対側にはもうひとつ別の要塞、ギャリソン・ポイントが横たわっており、またテムズ川を行き交う大小さまざまの船舶を心ゆくまで観察することもできます。

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photo: The Telegraph
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photo: The Telegraph
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photo: The Telegraph
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photo: wikimedia 干潟対岸のギャリソン・ポイント要塞。現在はドックの一部。
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photo: deviantart / safe-t
内部は兵舎や砲座の跡、監視塔などが迷路のように、しかし魅力的な複雑さをもって配置されており、改装すれば住居とすることも可能です。もっとも、好き勝手に改装できるわけではなく、歴史的建造物保護組織のイングリッシュ・ヘリテッジと折衝することが必要となります。いろいろ勘案すると別途1億7,000万円 (100万ポンド) ほど改装費用が掛かると見込まれています。その一方で立地条件の良さは特筆に値します。船着場を整備してモーターボートで通勤すればロンドンの都心まで約50分で到達することができます。

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photo: flickr / Si Gardner
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photo: flickr / Si Gardner











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via: The Telegraph