time_travel_dials_by_eddyhaze
image: eddyhaze

ミシガン工科大学物理学科のロバート・J・ネミロフ(Robert J Nemiroff)とテリーサ・ウィルソン(Teresa Wilson)は、このほど、インターネットでタイムトラベラーが活動した痕跡を探ることを試みました。

未来からやってきたタイムトラベラーが、意図的に、あるいはついうっかり、未来では既に起きているものの現在ではまだ起きていない事象について、SNSで発言したり、検索サイトで検索したりした痕跡が残っているかもしれない、という予想に基づき検証を行いました。
2012年9月に出現したアイソン彗星(Comet ISON)、2013年3月に選出されたフランシスコ法王(Pope Francis)をキーワードに使いました。それぞれの初出時期よりも前にこれらについて発言したり、検索したりした結果は残っているのでしょうか。

google、bing、facebook等を対象にしましたが、検証可能性で最も優れていたのはtwitterでした。twitterのツイートは過去の日付をつけて行うことができず、またこれまでになされた全てのツイートが検索可能だからです。

またそれとは別に、2013年8月にメールアドレスを用意し、2013年9月に呼びかけを行いました。そのアドレスにメールを送るようタイムトラベラーに依頼したのです。もしタイムトラベラーに協力するつもりがあるのならば、2013年8月から9月までの間にメールが届いたはずです。

残念ながら、どちらの結果も否定的なものでした。
タイムトラベラーが存在した明確な証拠は発見できませんでした。
古いツイートの中にアイソン彗星は見つかりませんでしたし、フランシスコ法王もいませんでした。

しかしながら、今回の調査で証拠が見つからなかったからと言って、タイムトラベラーが存在しないことにはなりません。
こうした試みは過去にもなされたことがあります。
例えば、ホーキング博士は2012年にタイムトラベラーのためのパーティを開催しました。ただし招待状はパーティの後で発送しました。
タイムトラベラーを名乗る人物は現れませんでした。

これからもタイムトラベラーを探す研究は行われるでしょう。
今回の研究は、誰にでも追試が可能である点で有益だと考えているとネミロフは言います。
これを下敷きにして、さらなる新手法が編み出されることに期待したいものです。

via: arXiv