山スキーをしながら動画を自撮りするという、なんともすごいワザです。ヘルメットやゴーグルにカメラを装着して、スキーヤーの目線で撮るのは、まあ、考えられますが、ストックの先に付けて自撮りするとは。そもそもよくバランスを崩さないものです。
Febupow in Jackson from Owen Leeper on Vimeo.
自撮りすると画面の中央に常に撮影者がいます。当たり前ですが。しかしこの当たり前が面白い効果を生んでいます。風景の中を自分(撮影者であり視聴者でもある)が動くのではなく、風景の方が自分の周りで動くのです。地動説から天動説に戻ったような。
ヘルメットからアームを伸ばして、その先にカメラを付けるという手法はよくテレビのバラエティ番組などで見かけますが、それだと被写体の顔が画面のほとんどを占めてしまい周囲の風景までは写りません。ストックの先に付けて少し離れたところから撮ると、自分と周囲との位置関係がよく分かって大迫力が生まれます。
崖がすごい速さで後ろに飛び去って行ったり、地平線が自分のまわりでぐるりと一回転したり、窒息しそうなほど雪が覆い被さってきたり、びっくりの後にまたびっくりですが、どんな時でも常に自分を導いてくれている一本の黄色い棒、すなわちストック。そちらの方向に重力があって、ずっと引っ張られているような不思議な感覚にとらわれます。
via: vimeo / Owen Leeper