photo: flickr / Frode Jenssen
ノルウェーのステティン (Stetind) 山は標高1,392m。その特異な山容から「神の金床 (かなとこ)」とも「オベリスク」とも呼ばれています。「金床」というのは、鍛冶仕事などで金属を叩いたり加工したりするのに使う台のことを指します。もっとも、ステティン山は平らな台というよりは、彫刻刀を逆さまに大地に植え付けたような、あるいは鑿を使って山の両側を激しく削ぎ取ったような、鋭さ、薄さの方が目に付きます。ノルウェー海に面したテュスフィヨルド、その枝分かれしたひとつの湾の最奥部、そこからいきなり山肌が立ち上がり、滑らかな斜面が次第に勾配を増しながら、頂上で断ち切られるまで続きます。
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