満艦飾

風景、都市、科学、動物、オカルトなどなど。 世界のウェブサイトを巡りおもしろく感じた話を日本語にしてお送りします。

火口

アイスランドのミーヴァトン湖より火口シリーズ。火口のように見えるけれども火口じゃない、本物よりも本物らしい、偽火口。盆栽のような、眺めて楽しいミニチュア火口だ。

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Pseudocrater Isle by Chris Zielecki, on Flickr

偽火口は本物の火口に似ていますが、違うものです。灼熱の溶岩が、沼、湖、池といった、水分含有量の多い地表を通過する際に、大規模な水蒸気爆発を引き起こした痕跡なのです。溶岩の表層を貫いて噴出する水蒸気により岩石の破片が飛び散り、本物の火口そっくりのクレーター状の地形が形成されます。偽火口はまた「根無し円錐」とも呼ばれます。地球内部へとつながるマグマの通り道がないので、「根っこが無い、円錐形の地形」というわけです。続きを読む

火口シリーズ・メキシコシティ郊外、住宅街のど真ん中にあるシュールなクレーター・ヒコの丘

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photo: flickr / Jennifer Steen Booher
ヒコの丘 (Cerro de Xico) はメキシコシティ最南端のヒコ区に位置し、チチナウツィン (Chichinautzin) 火山地帯の一部をなしています。航空写真を見れば一目瞭然ですが、ヒコの丘は正確に言うと丘陵ではありません。チャルコ湖の真ん中で火山性の水蒸気爆発が起き、それにより見事な輪を形成した凝灰岩の塊なのです。チャルコ湖の残滓はクレーターの縁に沿うように横たわっているのを見ることができます。メキシコシティの都心からわずか40km南方に下がったところにあるこの火口は、内部こそ依然として農業に使われ、凝灰岩の縁により地形的に守られてはいるものの、止まることを知らないスプロールによって都市に飲み込まれようとしています。
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青い海に囲まれた青い湖。ガラパゴス諸島のロカス・ベインブリッジは天の賜物。

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ロカス・ベインブリッジ(ベインブリッジ列岩、Bainbridge Rocks)はガラパゴス諸島の真ん中に位置する小島の群です。その中のひとつが、写真のように見事なカルデラを備えています。中心に溜まった水は海水が浸透したものだとか。塩水なので干潟のようになっているのでしょう、フラミンゴがたくさん訪れるそうです。周囲の海と、カルデラ湖と、同じ青ながらも色あいが異なり、美しい対比を見せています。
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こんな小さな島に完璧な円を描くカルデラが。空想と現実の間に浮かぶ不思議の島、ヴィラ・フランカ・ド・カンポ小島。

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大西洋の真ん中に浮かぶ火山島群のアゾレス諸島。ポルトガル領のこの群島は9つの島からなり、本土から約1400km離れた沖に位置しています。9つの島の内で最も大きいのがサンミゲル島です。東西90km、南北10kmほどのこの島の中央部、その南岸に、ヴィラ・フランカ・ド・カンポ(Vila Franca do Campo)という名の人口5千人ほどの村があります。

この村の沖合い約500mほどのところに小さな島が浮いています。ヴィラ・フランカ・ド・カンポの前にあるので、そのままヴィラ・フランカ・ド・カンポ小島(Ilheu Vila Franca do Campo)と呼ばれています。写真をご覧いただけば分かるように、この島、真ん中に驚くほど丸い「プール」を抱え込んでいます。いったいどうしてこんなにきれいな円ができたものなのか……。プールの一部は縁が途切れており、そこから外海へと狭い水路が通じています。
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サハラ砂漠の古火山、ワウ・アン・ナムス。奇観の大地、奇跡の水場。ここに入っていくキャラバンは何を思っていたのか。

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photo: George Steinmetz
ワウ・アン・ナムス(Waw An Namus)は北アフリカ、リビアの奥地、サハラ砂漠のど真ん中にあるクレーターです。クレーターといっても隕石が落ちた痕跡ではなく、現在は活動を停止している火山の噴火口です。直径はおよそ4km。何もない岩漠が突如として盛り上がり、そこから100mほど落ち込んだカルデラを形成しています。
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