怪談話が続いたので少し目先を変えて。サンクトペテルブルクの秋です。サンクトペテルブルクには砂のゴルフコースがあるようで、その周辺の秋色をドローンを駆使して点景のように捉えています。とりたてて派手な観光地というわけでもなく、さびれがちな風景の中に秋の残照が斜めに差し込んでいる、そうしたあり様に心を掻き立てられます。
ロシア正教の教会、その正教式の十字架、よく分からない管制塔のような建物、クルーザーの並ぶマリーナ、黄葉の大きな樹、別荘地、長い砂浜、赤白の灯台、操縦士を讃えていると思われる大壁画、海へと漕ぎ出す謎の男……。明確な関連性は何一つありませんが、にもかかわらず、ここには濃密な物語が隠されているような雰囲気を感じます。
続きを読む